皆さん、こんにちは!
富士市ゼロカーボンチャレンジアンバサダーの齋藤果歩です。
この企画は、富士市内で行われている脱炭素への取り組みにスポットライトを当て、その「人」や「企業」をアンバサダーである私が徹底調査しよう!!というものです。元かぐや姫クイーンとして培った人脈、そしてフットワークの軽さを武器に情報を発掘し、皆さんにお伝えしていきます!!
それではさっそく第1弾の富士市ゼロカーボンチャレンジャーをご紹介します。
一人目はこの方!!
一般社団法人なゆた代表理事の金原伸充(きんばらのぶみつ)さんです。
金原さんは、地元で40年の歴史がある学習塾「秀峰スクール」や不登校や発達の凸凹を抱えている子どもたちをサポートする放課後等デイサービス「アイズ」や富士市の通信制高校「わかば高等学院」の代表を務められています。
今回、金原さんとのインタビューの場所に指定されたのは富士市の潤井川橋そばにある大きな畑。
この場所で「脱炭素×農業×福祉」についてお話していただきました。
実際のインタビューの様子を交えながらその取り組みを紹介していきたいと思います!
齋藤:さっそくですが、どうして畑なんですか???
金原:農業と脱炭素にはとても密接な関係があるんです。農林水産省は2050年までに農業分野でのCO2排出量ゼロを目指す取り組みを行っています。
この畑でも、富士市の大切な自然環境を守ろう!という意識のもと脱化石燃料を意識しながら栽培に力を入れています。そのため農薬や肥料、除草剤を極力使わない栽培によって美味しい野菜が作られているんです。
齋藤:そうなんですね!この畑の前を何度も通ったことがあったのですが、土本来の力を使って栽培されているというのは初めて知りました。ここは金原さんの畑なんですか?
金原:いえ、ここは市民のボランティアで運営しているんです。この畑は来た人が誰でも農業に参加できるという噂を聞き、僕も最初はボランティアとして農業に携わりました。
そこで土を触ることのヒーリング効果や自然と一体化することの魅力に目覚め、今度はこれを自分の教え子たちに体験してもらいたいと感じました。
齋藤:なるほど!行けば誰でも仲間に入れるウェルカム体制はとても魅力的ですね!そこから農業と福祉とのつながりが生まれるということでしょうか。
金原:そうですね。僕が運営している放課後等デイサービス「アイズ」の子どもたちには発達の凸凹があります。ただ、農業には色々な作業があるから、そういう子どもたちとの相性がとても良いんです。
それぞれ自分の得意な作業を見つけてコツコツ作業してくれているのを見ると僕も嬉しくなります。農業体験の時には子どもたちとボランティアの間にコミュニケーションが生まれ、いつも活気に溢れています。
齋藤:自然栽培で環境に配慮しながら、地域のコミュニケーションの場としても活用されていて素晴らしいですね。この畑のボランティアに新たに参加したい!という人はいつ来たら良いのでしょうか。
金原:毎週日曜日朝7時からがベストですね。そこから大体2時間ぐらい作業しています。周りの人と会話するのもよし、黙々と土と対話するのもよし、とにかく自由に農業を楽しむことができるのがこの畑の一番の魅力です。
ここで採れた野菜は無人販売をやっていて、販売から1時間後には完売しちゃうぐらい味の評判が良いんです!
齋藤:1時間ですか!大人気ですね!やっぱり土本来の力を活かした自然栽培ならではの美味しさを皆さんが感じているんですね。最後に金原さんのこれからの目標などがあれば教えてください。
金原:目標は2つあります。1つ目は、福祉と農業の架け橋になることです。2年前に農業と福祉のマッチングを支援する農福連携コーディネーターという資格を取りました。それを生かして担い手不足の農家さんと富士市内の福祉施設をつなげていきたいです。
2つ目はこの畑から富士ブランドの作物を生み出すことです。子どもたちや地域のボランティアと協力して、富士市といえばこれ!という野菜を作れたら良いですね。そうやって農業と福祉の両方から富士市を盛り上げていきたいです。
あっ!もちろんベースの子どもたちの教育活動を続けながらですけど…教育は共育であり協育であることを忘れずに、今日も行く(笑)
齋藤:良いですね!環境に配慮した取り組みを行いながら、農業と福祉、教育の面から富士市を盛り上げていこうという金原さんの熱い想いが胸に響きました。ありがとうございました。
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さて、第一弾いかがだったでしょうか。今回金原さんをインタビューしてみて、「脱炭素×農業×福祉」の素晴らしい地域コミュニティがあることを初めて知りました。
何よりこの畑の最大の魅力は、行けば誰でも仲間に入れるというウェルカム体制。皆さんも、雄大な富士山を眺めながらの自然栽培を体験してみてはいかがでしょうか。一度参加すればあなたもゼロカーボンチャレンジャーの仲間入りです!!
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◆ホームページ
放課後等デイサービスアイズ https://eyes1.i-ra.jp/
わかば高等学院 https://wakaba.t-kaisei.shizuoka.jp/
◆プロフィール
金原伸充(きんばらのぶみつ)
1970年生まれ
1992年 秀峰スクール(学習塾)入社
1996年 秀峰スクール塾長就任
2011年 ゴールデンフィールド株式会社設立 代表取締役就任
2015年 一般社団法人なゆた設立 代表理事就任
2016年 放課後等デイサービス アイズ開所
2022年 わかば高等学院 開校、放課後等デイサービス ひまわり開所
さてさて、皆さまお待ちかねのインタビュー企画第二弾です!!
今回は富士市内のとある企業を訪問してきました!
その企業がこちら↓
株式会社石井組さんです。
株式会社石井組は創業以来120年以上の歴史を持つ、富士市を代表する総合建設会社です。病院、お店、工場、マンション等の民間工事から、庁舎や学校、河川、橋梁、道路、下水等インフラに関わる公共工事まで様々な建造物を手掛けています。
今回お話を伺ったのは
株式会社石井組 代表取締役社長の石井肇さんと環境管理室室長の石川香織さんです!
お二人からは社内でのゼロカーボンチャレンジについてお話いただきました。
今回も実際のインタビューの様子を交えながらお伝えしていきます!
齋藤:早速ですが、石井組さんが行っているゼロカーボンチャレンジを教えてください。
石井:はい。私たちは12年ほど前から環境省が制定した環境マネジメントシステム「エコアクション21」の認証を取得しています。この制度は、省エネルギー、廃棄物の削減・リサイクルなどの取り組みをPDCAサイクルで運用するものです。
私たちが普段使っている水やガス、電気、化石燃料の使用量を可視化することで、社員一人一人が主体的に環境への意識を持つようになりました。
齋藤:そうなんですね!環境省が行っている「エコアクション21」という制度を初めて知りました!実際に社内ではどんな取り組みを行っていますか。
石川:色々ありますが、一番はエコドライブの実施です。私たちは建設業なので車をたくさん使います。目的地まで効率的で安全に行けるよう経路シミュレーションをしてから車に乗ったり、ふんわりアクセル・早めのアクセルオフなど加減速の少ない運転を心掛けています。
他にも、紙資源の無駄をなくすために建設現場にiPadを導入し、工事で使用する図面や資料を電子化したり、、、少しの変化で資源の無駄がなくなり、エコアクションを取得する前と後では100万円単位もの効果が出たことに驚きました。
石井:それから、私たちは各部署にエコ推進委員というものを配置しており、メンバーで年3〜4回ほど環境保全への取り組みや目標について議論します。
これは部署や在職期間、年齢、性別など関係なく選ばれるものなので、社員の交流の場にもなっていて活発な話し合いが行われています。
齋藤:部署や年齢を越えて活発な議論が生まれるのは素晴らしいですね!その会議の中から生まれた社内での取り組みなどもありますか。
石川:すごく身近なところだと、事務用品のリユースコーナーですかね!各部署にリユースボックスを置いて不要な文具を回収し、それを一つに集めて再利用しています。
事務用品をリユースすることで文具購入を抑え、資源の削減を目指しています。これもエコ推進委員の話し合いで生まれた取り組みのひとつです。
齋藤:すごい!!あらゆる事務用品が再利用されていますね!小さな無駄も見逃さないという姿勢を私も見習わせていただきます。それでは最後に今後の目標を教えてください。
石井:そうですね、これまで通り、環境保全への取り組みを続けるのはもちろんのこと、今後は環境という枠組みを超えてSDGsにも積極的に取り組んでいきます。
特に「働きがいも成長も」という分野に力を入れ、障がいのある人も安心して働けるような環境を整えていきたいです。
石川:私は若い世代の方たちと[建設業と環境]についての話し合いが楽しみです。特にこれからの新入社員は学校教育の中でもSDGsを学んでいたり、新しい価値観を持っていると思うので、その意見をどんどん取り入れていきたいです。
齋藤:ありがとうございました。環境という枠組みにとどまらず、挑戦し続ける石井組さんのこれからに注目させていただきます!
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第2弾、いかがでしたか?? 今回お話を聞いてみて、ゼロカーボンチャレンジは環境を守るだけでなく、年齢や性別を越えたコミュニケーションの場にもなり得るということに気付きました。
富士市の目標「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」に向けて、みなさんも是非、周囲の方とゼロカーボンについて話し合ってみてください!
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◆ホームページ
株式会社石井組
https://ishiigumi.jp
石井組エコアクション21活動レポート
https://ishiigumi.jp/環境活動/エコアクション21/
◆参考
エコアクション21自治体イニシアティブ・プログラム[富士市]
https://www.city.fuji.shizuoka.jp/kurashi/c0901/fmervo00000038dm.html
今回も第二弾に続き、ゼロカーボンチャレンジに積極的に取り組んでいる富士市の企業を訪問してきましたよ!!
その企業がこちら↓
株式会社イーシーセンターさんです。
昭和55年創業の株式会社イーシーセンターは、静岡県を中心に解体工事や産業廃棄物のリサイクルを行っています。
「私たちの子どもに残したい未来がある!」というスローガンを大切に、地域愛やMOTTAINAIの精神で資源循環型社会の形成に向けて貢献されています。
2021年から静岡銀行のポジティブ・インパクト・ファイナンス※に参加し、SDGsへの取り組みにも積極的に取り組まれています。
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※企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資
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お話を伺ったゼロカーボンチャレンジャーは、
株式会社イーシーセンター
代表取締役社長 海野幸男さんです。
今回は株式会社イーシーセンターの富士第1ステーション、富士第2ステーション、富士第3ステーション、沼津ステーションを潜入調査してきました!!
普段なかなか入ることのできない工場内の様子をレポートしていきますよ!
まず伺ったのは「富士第1ステーション」
ここでは、廃木材リサイクル・混合廃棄物高度選別リサイクルを行っています。
富士第1ステーションは、日量最大340tもの処理能力を持った屋内型リサイクル施設です。
ここでは集積所から運ばれてきたゴミを分別していきます。
え?!こんなに多くのゴミをどうやって分別しているの?!と思うのではないでしょうか。
ここにもイーシーセンターが大切にしている、どんなゴミも資源として再利用する「MOTTAINAIの精神」が現れていますよ!!
なんとこちら、人力による手選別と風力等を使った機械選別で徹底的に分けています。ゴミを選別することで、ゴミを資源に変えているんです。
分別はリサイクルの基本です!分別を徹底する姿勢、すごいですね✨
さて、次は「富士第二ステーション」に向かいますよ!
ここでは廃プラスチックリサイクル・固形燃料製造・乾留ガス化発電を行っています。
注目すべきはこの“乾留ガス化発電プラント”
この大きな機械こそがイーシーセンターが行っているゼロカーボンチャレンジの象徴なんです!
これは”廃棄物自身が熱源となって廃棄物を燃やす”化石燃料を極力使わない日本初のシステム!!
え?廃棄物自身が?そんなイリュージョンどうやっておきてるの?!?
そう思いますよね!
その秘密を海野社長がとってもわかりやすく説明してくれました。
さっそく皆さんにもお伝えしていきますよ↓↓
この乾留ガス化発電プラントの大きな役割は
燃えるゴミをプレス→まとめる→燃やす
というものです。
燃やすと聞くと、炎がごうごうと音を立てて、、、というのを想像しますよね?このプラントは一味も二味も違うんです!
普通の焼却炉は重油などを使ってゴミを燃やすため、二酸化炭素が大量に排出されてしまいます。この乾留ガス化発電プラントは環境への配慮を第一に考え、ゴミを”蒸し焼き”にしていくんです。
蒸し焼きにすることで、ゴミの塊を炭と可燃性ガスに分けることができます。ゴミが持つエネルギーをガスとして活用することで、ゴミが燃料になるのです。
しかも「廃棄物自身が熱源となって廃棄物を燃やす」という説明にもあるように、分けられた可燃性ガスでゴミを燃やし続けているのでとってもエコなんです!
プラントの近くに行ってみると、本当に200〜300度で燃えてるの?!と思うくらい熱くなくて驚きました。
ただ、みなさん、このプラントのすごさはこれだけじゃないんです。
ここからが本番というところでしょうか。
ガスが燃えるとどうしても発生してしまうのが”排ガス”
乾留ガス化発電プラントではこの排ガスを無害化しています。
これは排ガスを無害化するために燃やしているところです!ダイオキシンを無害化するためには800度で2秒間燃やさなければいけないそうです!
そして、このエネルギーすら無駄にしないのが「MOTTAINAI精神」を体現しているイーシーセンターの真骨頂。
今度はこの燃やしたエネルギーを使って電気をおこしています。
プラントの横には発電装置がありました!
このように、排ガスは無害化され、そのエネルギーは発電装置で電気に変えられています。燃え殻の一部もセメント原料にリサイクルしていたり、とにかく無駄がないこの仕組み、本当に素晴らしいですよね!!
続いては「富士第3ステーション」です。ここでは石膏ボードリサイクルが行われています。
みなさん、石膏ボードって知っていますか?石膏ボードとは家の壁に使われているものなんです。
この、紙と紙の間に挟まれた白いボードが石膏ボードです。これを外側の紙と、内側の石膏ボードに分け、粉砕して粉々にしていきます!
このようにサラサラになった石膏ボードの粉は、また石膏ボードとして使われたり、セメント原料として生まれ変わっています。
資源を余すことなくリサイクルし、どんな無駄も見逃さないイーシーセンター。
さすがです!!!
最後に伺ったのは「沼津ステーション」
ここはコンクリートリサイクル・砕石販売、再生砕石販売・瓦リサイクルが行われています。施設処理能力(最大1.360t/日)と保有面積は静岡県でもトップクラスだそうです!
さっそく覗いてみましょう!
見てください!これ!!!瓦の山です!!こんなに瓦が集まっている風景、なかなか見ることがないですよね!?
この瓦も、石膏ボードのようにサラサラの粉に変えてリサイクルされていきます。
実は、瓦には日本人の知恵がたくさん詰まっていて、地面の熱を吸収する力や保水力に優れているんだそうです!
そのため、リサイクルされたあとはガーデニングの材料として重宝されています。
瓦を使ったこんな可愛いサボテンガーデニングが置いてありました✨
そして、最後の最後に行ったのが、こちらの砕石プラント工場
ここでは、ビルの解体で出る瓦礫を破砕機にかけ、道路の下に引いたり建物の下にある基礎の石として生まれ変わらせています。
かつては山の石を持ってきて粉砕して使っていたそうですが、今では解体現場から直接この沼津ステーションに運び込み、その場で瓦礫を崩すようにしています。
そうすることで、移動に無駄がなくなり、車の排出ガスの減少や運搬費の削減にも繋がっているそうです!
一つ一つの作業工程にゼロカーボンや環境保全のための仕組みが隠されていて、私もとても勉強になりました。
海野社長をはじめとする株式会社イーシーセンターの皆さま、本当にありがとうございました✨
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さて、ゼロカーボンチャレンジャー第三弾いかがでしたか?今回は工場見学という貴重な経験をさせていただき、私も発見や学びの連続でした!
イーシーセンターさんでは、排出するガスや空気など、最後の瞬間まで気を配られていて、自分たちが環境を守るんだ!という熱い想いを感じました。
第三弾にて私の更新する記事は最後になりますが、取材させていただいたゼロカーボンチャレンジャーの姿を胸に今後も脱炭素に向けて活動していきます!
記事を読んでくださり本当にありがとうございました。
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◆ホームページ等
株式会社イーシーセンター
https://ec-center.co.jp
SDGsポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書
https://ec-center.co.jp/wp-content/uploads/2022/09/5ba3705a9f25d1373a091a850f7e78fd.pdf